📝 編集長コメント

少し間が空いてしまいました、皆様いかがお過ごしでしょうか。今週最も注目したのは、CMOの役割を扱ったDigidayの記事です。SpencerStuartの調査によれば、消費財のCEOは2023年まで半分以上がマーケティング出身でしたが、2025年は50人中19人に減少。McKinseyの調査では、CEOの70%が売上と利益率でマーケティングを見るのに対し、同じ指標を追うCMOは35%。さらに3分の2以上の企業が、成長を見る役員を複数置いています。 記事の指摘は、かつてマーケティングが持っていた4Pのうち、製品も価格も流通も他部門に移り、販促だけが残ったということでした。
レバーがプロモーションしかない状態で売上と利益率を問われる局面は、実際によく見ます。ミッションの切り方も採用要件も、その前提のまま組まれる。専門性の高さがそのままラベルになり、担当領域が決まり、構造が固定されていきます。
もちろんケイパビリティとの兼ね合いはあります。
ただ、分業が進むほど個々の役割は明確になる一方で、成果を出すために必要なレバーは、誰の手元にも揃わなくなっていく。皆様の組織ではどうでしょうか。(中川)

AdWeek

AI購入プラットフォームが2030年までに米国広告費の27%を管理へ:レポート

📌 要約

AI購買プラットフォームが2030年に米国広告費の27%を管理へ

Madison & Wallの最新予測です。世界の広告市場は今年11%伸びて1.3兆ドルを超え、第2四半期は12.9%成長でした。注目すべきは成長率よりシェアです。米国で自動化・AI型キャンペーンが扱う広告費は現在12%、2023年は2%でした。これが2030年に1,580億ドル、米国市場の27%になると見ています。しかもこの数字はMeta Advantage+とGoogle Performance Maxの2つだけで積み上げたものです。Tinuitiの集計では、小売クライアントのPMax比率は2025年第4四半期以降60〜70%に達しています。

マネージングディレクターのLuke Stillmanは、この動きを「シェアの移動」と呼び、大小問わず広告主にとって便利だから起きていると説明しています。性能が優れていると証明されたからではありません。なお、Alphabet・Amazon・Metaを除くと、EMEA(Europe, Middle East and Africa)の上半期成長率は4.6%にとどまります。

MarTech

AIがメディアを変える速度は、マーケターが測定できる速度を上回っている

📌 要約

AI時代の顧客行動、測定が追いつかず

IABが米国のブランドと代理店の広告投資決定者211人に聞いた「2026 Outlook Study」9月版です。86%が、AIとエージェントを理由に測定方法を変更した、または12カ月以内に変更すると答えました。44%は「AI検索を含む消費者行動の変化への適応」を投資上の主要課題に挙げています。

注力先も動いています。76%が「AI生成回答に向けたコンテンツ最適化」を最重点とし、生成AIをキャンペーン制作に使うことへの注力は1月の78%から9月の69%へ下がりました。関心が制作から発見と測定へ移っています。

困りごとは具体的です。45%がAI経由の顧客行動と従来経路を比較できず、35%がAIツール内での言及・引用データの一貫性に苦しみ、30%はAI流入データが欠落しているか信頼できないと答えました。AIプラットフォーム内のブランド可視性を体系的に測れている企業は16%です。同じ9月、IABは今年の米国広告成長率予測を1月の9.5%から12.3%へ引き上げています。

Semrush Blog

# ゼロクリックマーケティングとは?実行方法と測定方法

📌 要約

クリック不要で価値提供する「ゼロクリックマーケティング」とは

SparkToroのAmanda Natividadが2022年に提唱した考え方を、Semrushが最新データで整理し直した記事です。

Pew Researchによれば、GoogleでAI要約を見たユーザーがオーガニック検索結果をクリックする割合は8%で、AI要約がない場合の15%の半分ほどです。MagicPostが56万件超のLinkedIn投稿を分析したところ、リンクプレビュー付き投稿のインプレッション中央値は414、リンクなしは795でした。Instagramでは投稿本文中のリンクがそもそもクリックできません。

実務的に一番使えるのは検証方法です。作った投稿からCTAとリンクを消して、それでも内容が成立するかを確認する。成立しなければ、クリックに依存した設計になっているということです。測定側は、問い合わせフォームで流入元を直接聞く、指名検索の量を追う、AI内での引用とシェアオブボイスを見る、という置き換えを提案しています。

The Verge AI

Slackがチャット内でインタラクティブなグラフやレポートを自動生成可能に

📌 要約

Slack、AI生成で対話型レポート作成が可能に

Salesforceが9月10日に公開した新機能です。Slackのチャットで「次のローンチ用のキャンペーン管理画面を作って」と話しかけると、Slackbotがダッシュボード、レポート、プレゼン、投票、簡易サイトをその場で組み立てます。生成物は画面の切り取りではなく、SalesforceやGoogle Driveのデータと同期する生きた画面で、商談が動けば表示も動きます(リアルタイム連携は2026年10月から順次)。既存のアクセス権限がそのまま適用され、Slackbotが有効なら無料プランでも使えます。共同創業者Parker Harrisの「もうSalesforceにログインすることはなくなるかもしれない」という予測を、製品として実装したものです。

Digiday

CMOの次なる章は、真のビジネスリーダーへの回帰

📌 要約

CMOが「活動管理者」から「成果責任者」へ回帰

Digidayのスポンサー記事ですが、引用データが具体的です。McKinseyの調査では、CEOの70%がマーケティングを売上成長と利益率で評価している一方、同じ指標を追っているCMOは35%でした。

より直接的なのがSpencerStuartのデータです。消費財業界では2023年時点でCEOの半分以上がマーケティングまたは商業部門の出身でしたが、2025年には50人中19人に落ちています。多くはゼネラルマネジメントかCOO経由で、損益責任を直接持った経歴が選ばれています。McKinseyによれば、3分の2以上の企業が成長を見る役員を複数置いており、責任の所在が分散しています。Forresterは、B2Cのマーケティング測定への信頼度が79%から72%へ下がると予測しています。

記事の処方箋は単純で、CEOが見ている指標をそのままマーケティングの運用指標にすることです。

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