📝 編集長コメント

顧客解像度を上げると訴求がシンプルになっていく。
今号のD2C事例がわかりやすい。
ホップを効かせたお茶を売るブランドが、「ノンアルコール」を軸に広告を打っていた。ビールの代わりのお茶ということで、ブランドとしては禁酒という達成感を売っているつもりだった。
ところがレビューを感情ごとに読み直すと、繰り返し出てくるのはそうした達成ではなく帰属だった。「もう二度と味わえないと思っていた味を返してくれてありがとう」。「酒をやめたかったわけじゃない。やめざるを得なかった」。

つまり顧客は「ビールのホップの味そのものを求めていた」というズレがそこにある。

ここで訴求を「ホップを、アルコール抜きで」に変えたら、2週間で獲得コストが3割下がったというエピソード。

注目すべきは、新しいデータを取りに行ったのではなく、同じレビューへの問いの立て方を変えただけということ。
もうひとつ、聞く相手を顧客だけにしなかったこと。ブランド側の制作担当にも同じ質問を投げて、社内が持っている顧客像とのズレを可視化した。

著者が指摘する「パーソナライズのやりすぎがむしろ広告費を押し上げている」という話はなるほどと思わされます。買う理由は個別でも、その下の感情は似通っている。だから短く、鋭く、共通の感情に当てにいくべきということです。
となると、顧客解像度を上げる目的は、セグメントを増やすことではなく、最大公約数を見つけるために一段深く潜ること。


お盆休みの方も多いでしょうか。しっかりリフレッシュされてください!一人会社はしゃかりきに頑張ります...(中川)

Practical Ecommerce

感情訴求型広告でコストを30%削減

📌 要約

感情訴求の広告でコスト30%削減

何の話か

・D2Cブランドを支援するコンサルタント、Sarah Levingerへのインタビュー。買い物客の感情に広告メッセージを合わせることが成果を左右する、という話。

手法の変遷

・最初はレビュー分析。数千件のレビューを感情ごとに分類していた
・ただしレビューは短い。「気に入った」で終わることも多く、その裏にある感情が読めない
・そこで顧客インタビューに切り替え、書き起こしをAIに分析させるようになった
・さらに、消費者だけでなくブランド側の人間の心理も分析するようになった。デザイナー、動画担当、戦略担当、運用担当を集めて「あなたの仕事は何か」「広告の目的は何か」「顧客は誰で、何を求めているか」と聞いていく。すると、顧客が本当に求めているものと社内チームの認識との間に、大きなズレがあることが見えてくる

具体例:ホップ入りのお茶を売るブランド

・ブランドは「ノンアルコール」を訴えていた。減酒という達成感を売っているつもりだった
・しかしレビューに繰り返し出てくる感情は「帰属感」だった。「もう二度と味わえないと思っていた味を返してくれてありがとう」というレビューが象徴的だった
・「酒やホップの効いたビールをやめたかったわけじゃない。やめざるを得なかった」という声が続いた
・そこで「ホップを、アルコール抜きで味わえる」という切り口の広告に変えた
2週間で獲得コストが30%下がった

パーソナライズへの批判

・LP、メール、広告のすべてで、パーソナライズをやりすぎている。対象を絞りすぎると広告費はむしろ上がる。ドリトスやペプシ、コーラ、Appleが何百万人にどう対応するのか。人が買う理由は個別でも、その下にある感情は似通っている。出身や家族構成にかかわらず、人間はそこまで違わない。

実務への落とし込み

・メッセージは短く。見出し、動画、画像を研ぎ澄ます。人が自然に検索してしまう感情がどれかを理解する。多くの場合それは奇妙な、その人を気分よくさせる感情である。

Digiday

数字で見る:マーケターがAI検索のインフラをどう構築しているか

📌 要約

AI検索対応に予算確保も、実行体制は未整備

マーケターの間でAI検索への対応が急務となっており、専用予算を確保する動きが広がっています。しかし最新の調査によれば、予算配分は進んでいるものの、実際の実行体制、効果測定の仕組み、コンテンツ戦略の策定はまだ追いついていない状況が明らかになりました。

消費者の使い分け(Similarweb調査)

・商品の発見や最初のアイデア出し:AI検索35%、従来の検索13.6%
・購入直前:AI検索24.3%、従来の検索22.1%

つまりLLMは新しい「認知の入口」になったが、クリックはまだ従来の検索エンジンが取っている

コンテンツ側の動き

・BtoBマーケターの52%が、AI検索・回答エンジンを最も効果的な配信先だと答えた。オーガニック検索と答えたのは29%(10Fold調査)
・42%がコンテンツ制作を増産中、73%がAI可視性の監視ツールに投資済み(Scrunch/Scribewise調査)

戦略と実行のズレ

・10Fold調査の最多層(41%)は「AI経由での発見を意識して制作・最適化したコンテンツは全体の25〜49%にとどまる」と回答
・67%が「AIの回答に自社やクライアントが出てくる頻度が期待より低い」と感じている
・45%は複数のAIプラットフォームで自社の見え方をテストしている

ChatGPTやBing、Googleの生成AI検索など新しい検索体験が普及する中、多くの企業が「対応しなければ」という危機感は持っているものの、具体的にどう取り組むべきか手探り状態にあるようです。

The Verge AI

Jony Iveの初のOpenAIガジェットは、ホッケーパックサイズのスマートスピーカーと報じられる

📌 要約

Jony IveとOpenAI、300ドル超のAIスピーカーを2027年発売へ

AppleのデザイナーだったJony IveとOpenAIが共同開発中のAIデバイスは、ホッケーパックサイズのディスプレイなしスマートスピーカーになる見込みだ。Bloomberg記者Mark Gurmanによると、この製品は2027年に300ドル以上で発売予定で、ドーナツ型のバッテリー駆動デザインを採用している。デバイスには可動パーツが組み込まれ、ユーザーとのインタラクション時に自動的に動作するほか、ライト、カメラシステム、各種センサーを搭載する。家中を持ち運びやすい設計となっており、従来のスマートスピーカーとは一線を画す独自のユーザー体験を提供することが期待される。OpenAIとIveの組み合わせは、AI時代のハードウェアデザインに新たな基準を打ち立てる可能性がある。

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