📝 編集長コメント

今週の5本は一見バラバラですが、並べてみると「AIが組織の真ん中を空洞化させ、その分だけ個人に価値が移る」ということを感じる記事群です。SignalFire のデータでは大手テックのマーケ採用が36%減、エンジニアは11%減です。Marketing AI Institute が指摘する「チーム内のAI格差」の記事を重ねると、少数のパワーユーザーとその他大勢という構図が浮かび上がり、AIが「中堅の人数」を要らなくしつつあることが現実に起きているように見受けられます。まだ時期尚早かもしれませんが、仕事の構造が変わり採用面への影響が出始めている可能性を捉えたほうがよさそうです。 ただ、これは悲観一色の話ではありません。同じ局面で「個人が輝く時代」も加速しています。カンヌライオンズの記事で見られるように、最大級のクリエイターはもはやメディア企業の規模を超えて投資マネーまで呼び込み、スターバックスは従業員の投稿を広告として正式に扱い収益を分配し始めました。組織の中の匿名の一人ではなく、名前と人格を持った個人が価値の発信源になる。採用枠が減ることと個人が前に出ることは必ずしも矛盾せず、変化する外部環境の中でどう替えのきかない独りになれるかという点に尽きそうですね。(中川)

Search Engine Journal

ビッグテックのマーケティング採用が36%減少、データが示す

📌 要約

大手テック企業、マーケ採用36%減

ベンチャーキャピタルのSignalFireが公開したデータによると、主要テクノロジー企業におけるマーケティング職の採用が36%減少していることが明らかになった。この減少幅はエンジニアリング職の採用減少と比較しても著しく大きい。テック業界全体でコスト削減が進む中、マーケティング部門が特に大きな影響を受けている実態が浮き彫りになった。この傾向は、企業が成長投資よりも効率化を優先する姿勢の表れであり、マーケティング予算の配分や人材戦略の見直しが業界全体で加速していることを示唆している。

Social Media Today

Metaがリード広告向けの統合予約機能をリリース

📌 要約

Meta、リード広告に予約機能を統合

Metaは、Facebook上のリード広告に第三者プラットフォームとの統合予約機能を追加した。Calendlyなどの予約ツールと直接連携することで、ユーザーが広告から離脱することなく、その場で商談やサービスの予約を完了できるようになる。これまでリード広告は顧客情報の取得までで、その後の予約プロセスは別途必要だったが、今回のアップデートによりコンバージョンまでの導線が大幅に短縮される。特にBtoB企業やサービス業にとって、リード獲得から商談設定までの離脱率を減らせる重要な機能強化となりそうだ。
カレンダー提供元は自動判別。現状はCalendlyとHighLevelに対応、HubSpotは8月上旬、他も順次追加予定。Facebook広告のみで先行展開、全世界対応は10月の見込み。

AdWeek

カンヌで私の会話を支配している6つのトレンド

📌 要約

カンヌ2026で注目の6つのマーケティングトレンド

AdWeekがカンヌライオンズ2026で話題となった6つの主要トレンドをレポートしている。

❶クリエイターエコノミーが思春期に入った
最大級のクリエイター(MrBeast や Dhar Mann など)はデジタルメディア企業の規模を超え、CAAとTPGが2.5億ドルのファンドを発表するなど投資も呼び込み始めた。

❷メディアの「ポスト・テキスト」時代
人気ニュースレター書き手が、文章を軽め・テキスト少なめに作り替えている。動画がSNSを支配し、テキスト中心だったSubstackやBeehiivですら動画を後押ししている。

❸フォーマットよりIP(中身)
フォーマットの融合で「音声の人」「映像の人」といった媒体特化の専門家は過去のものに。ポッドキャストは音声中心という看板を脱ぎつつある。技術が制作の参入障壁を劇的に下げた結果、アイデアの独自性こそが成功の主要指標になった。

❹AIをめぐる感情は「FOBO」
去年のAI不安は「広告クリエイティブが覆るのでは」だったが、今年は「AIがほぼ全業務をこなす世界で自分たちの存在意義は何か」へ広がった。FOBO=Fear of Being Obsolete(自分が不要になる恐れ)。一方で内輪の議論はAIのコストや怪しいROIに集中しており、見方は割れている。

❺エージェントがグループチャットに入ってくる
エージェントをグループチャットに直接持ち込む新製品のデモがあり、ブランドや媒体、クリエイターの代わりに、ブランドらしい形式で応答できる。「ダークソーシャル」(グループのテキストなど)の影響力が増す中、消費者がニュースブランドと直接やり取りする形が生まれうる。

❻ニュースコンテンツの価値上昇
LLMはすでにウェブ上の入手可能なデータをほぼ学習し終え、製品間の差は「新しく質の高い情報へのアクセス」に。出力は入力の総和にすぎないと明らかになるほど、上質な媒体のAI企業に対する交渉力が想定より強まっている。ただしこの恩恵はロングテールのクリエイターには及ばない。

Marketing AI Institute

マーケティングチーム内でAIギャップが広がっていませんか?

📌 要約

マーケティングチームにAIスキル格差が生まれている

多くのマーケティングリーダーは「チームがAIを使っている」と答えるが、実際には大きな問題が潜んでいる。単にAIツールを使うことと、チーム全体でAIスキルを向上させながら知見を共有することには本質的な違いがある。現在、多くの組織では一部のメンバーだけがAIを効果的に活用し、他のメンバーは取り残されるという「AIスキル格差」が広がりつつある。この格差を放置すると、チームの生産性に大きなばらつきが生まれ、組織全体のAI活用効果が限定的になってしまう。

今すぐやるべき4つの打ち手:

1. パワーユーザーを見つけ、その仕事のやり方を「見える化」する(凝ったチュートリアルでなく、実際にどうプロンプトを組み、どんな文脈を渡しているかの実用的なメモでよい)

2. プロンプトやプロジェクトの共有ライブラリを作る(個人アカウントに眠らせず、チーム全員が使える状態にする)

3. 軽い振り返りの仕組みを作る(週次MTGで15分、誰かがその週のAI活用の成功例を1つ共有するだけでも空気が変わる)

4. 文脈づくりをチームのプロジェクトとして扱う(ブランドガイドライン、ペルソナ、メッセージング、過去の学びを一元化し、AIに読み込ませやすくする)

マーケティングリーダーには、AI活用の成功事例をチーム内で積極的に共有し、全員が共に学び成長できる環境を整備することが求められている。

Marketing Dive

スターバックス、従業員生成コンテンツ促進のためTikTokプログラムを試験導入

📌 要約

スタバ、従業員のTikTok投稿を促進する試験プログラム開始

スターバックスがTikTokと連携し、従業員による自社コンテンツ投稿を促進する試験プログラムを開始した。背景にあるのは、Z世代の消費者が新商品情報を従業員の投稿から得るケースが増えているという現状だ。企業が公式に発信するコンテンツよりも、実際に働く従業員の生の声や体験談の方が信頼性が高く、購買意欲を喚起しやすいとされている。スターバックスはこのトレンドを捉え、従業員をブランドアンバサダーとして活用する戦略に舵を切った形だ。従業員発信コンテンツ(EGC)は、今後のマーケティング戦略における重要な要素となりそうだ。

📬 THE LEAD をお読みいただきありがとうございます。

💡 今日のニュースで「これは!」と思った話題があれば、ぜひSNSで感想を教えてください。

👥 マーケティングに関心のある方にこのニュースレターを転送していただけると嬉しいです。

Recommended for you